変態教師は触りたい 1話

変態教師は触りたい 1話

 女を好きになり、近づき、弄りたい。
 それは、とても最低な事だと誰もが言う。
 そう、それは正しい事である!
 その行為はセクハラッ、犯罪行為!
 一度でも行えば、豚箱行き。世間の敵!

 もし、貴殿が正しく生きようというのなら、決してセクハラなどしてはいけない。
 
 だが、ここに一人の変態がいた。
 これは、とある変態の物語・・・・・・見本にしてはいけない男のストーリーである!!
***

 私立秀知院学園!!
 ここは、かつて貴族などを教育する機関として創立された、由緒正しい名門校である。
 そして、国の将来を背負うであろう生徒達を纏める教師が、凡人であるなど許されないッ!
「まぁ、皆さんっ、ご覧になって!」
 一人の女生徒を皮切りに、周りの視線が一人の教師へと集まる。
「西園寺先生よ!」
 教師、西園寺金継。総資産五百兆円。全ての事業に関わっているという西園寺グループの長男。
 肩に掛かるくらいの髪を縛り、その鋭い目付きから野生のフェロモンがたまらないと、女子生徒から大変な人気を集めている教師である!
「あぁ・・・・・・いつ見ても素敵ですわ」
「わたくし、食べられ――」
「はしたないですわよ」
 このように、好意を向けられるのは日常茶飯事。
 だが、この男は――。

「あら? 西園寺先生は何処を見ているのかしら」
 グラウンドに目を向けている西園寺。
 その視線の先には、陸上部が練習していた。
「陸上部は大会が近いですからね、きっと応援しているのでしょう」
「さすが西園寺先生ですわ」
 この、男は――。

「ふっ。(めっちゃオッパイ揺れてる。エロ!)」
 変態なのである!
***

 西園寺金継。
 この変態教師は、二十代前半という若さながら秀知院学園にスカウトされた天才である。
 決して己の財力で訴え、無理矢理に教師となった訳では無い。
 家柄、人柄共に良く、教師の鏡だと絶賛されているが、それは猫の皮を被っているからである!
 性欲をひた隠し、だが上手くセクハラをする。
 そんな見た目だけの男は、生徒会顧問を任されていた。

「入るぞ」
「あら、西園寺先生。こんにちは」
 生徒会室で西園寺を迎えたのは、四宮かぐや。
 国の心臓たる四宮グループの長女にして、生徒会副会長。
「ふむ。なにか仕事ですか?」
 そして、奥の椅子に座っているのが、白銀御行。
 学園模試は不動の一位である生徒会長。
「あー、先生もお饅頭食べますかー?」
 ポヤポヤと喋るのは、書記の藤原千花。IQ3の天然娘。

「書類を持ってきた」
 西園寺が白銀に渡したのは、生徒会の確認が必要な書類。
 それを受け取った白銀は、すぐに取り掛かる。
「先生。書類が上がるまで休憩してはいかがですか?」
「あぁ」
 四宮の言う通りに、西園寺がソファに座ると、隣に藤原書記がやってくる。
「せんせーは相変わらず口数が少ないですねー」
 ツンツンと西園寺の頬を突く藤原書記。
 そう、この変態はあまり喋らない。
 なので、
「やめろ(めっちゃいいスメル! 達するぅ!)」
 このような思考をしていてもバレない。

 しかし、この変態にも天敵がいる。
「藤原さん。先生が困っているでしょう、おやめなさい」
 四宮かぐや。
 決して、この変態を見抜いている訳では無いが、西園寺の邪魔をするので天敵認定を受けている。理不尽である。
 そして、
「すまん(はー!? めちゃくちゃ良いところだったのにっ、このデコ助がっ、さっさと白銀とくっつけ! この人妻!)」
「・・・・・・なにか?」
「いや(・・・・・・恐っ)」
 単純に、西園寺は四宮かぐやが怖かった。

「せんせ、お饅頭たべますー?」 
 四宮の視線から逃げた西園寺は、目の前に差し出された饅頭を見て、ゴクリと喉を鳴らす。
「藤原さん、はしたないですよ! まったく、物乞いじゃないんですから」
 藤原の行為をみた四宮は多少大きな声で窘めるが、藤原は気にせず西園寺の口元へと持っていく。
「えー、これくらい普通ですよー。はい、あーん」
「ううむ・・・・・・(え、女子高生からのあーんっ。あーんだよっ、やっべ。このパイオツ娘からの――)」
「藤原さんっ」
「ぶぅー。わかりましたよ」
 口に入る直前だった饅頭を藤原は戻し、自分の口へと運ぶ。
「あっ・・・・・・」
 それを見た西園寺が声を上げ、
「先生?」
 四宮が訝しげに西園寺を見る。
「・・・・・・饅頭、好物なんだ(っぶねーっ。クソっ、毎度毎度邪魔しやがって!)」
「そうでしたか」
 苦し紛れの言い訳を、四宮は深く気にせず白銀の元へと向かった。
「もごもご、ごくんっ」
 好物と聞いて藤原書記が申し訳なさそうにしているが、西園寺は首を振って答える。
「別にいい。・・・・・・粉、ついてるぞ」
「ほへー、ありがとうございますー」
 藤原書記の口元に付着している饅頭の粉を、西園寺は右手で拭う。
「先生、確認終了しました」
 と、そこで白銀が書類を持って近づいてくる。
「ご苦労」
「いえ。ん? 先生、右手どうかしたんですか?」
「別に」
「そ、そうですか」
 右手をポケットに突っ込んだまま、西園寺は左手で書類を受け取り生徒会室を出て行く。

 扉を閉め、周囲を確認した西園寺は――。
「ペロッ、ジュルジュルゥッ」
 粉が付着している右手を一心不乱にしゃぶる西園寺。
 この男、身の毛もよだつド変態である。

「ふぅ。職員会議がんばろっ」

 これは、とある変態が隠れてセクハラをする物語である・・・・・・。