残された命はあと――1週間。
そう言われたら、あなたはどうしますか?
今まで興味無かったものに目を向けたり、欲しかった物を買ったりしますか?
または穏やかに家族や恋人と過ごしますか?
考えが浮かばない・・・なんて人に読んで貰いたい作品があります。
僕の死神の七日間
あらすじ
僕には、尊敬する兄がいた。
けれど、その兄は事故で死んでしまった。
兄を失い、生きる気力を失った僕。
そんな僕に、ある出会いがあった。
「私は死神。あと七日で死ぬ事を君に伝えに来たの」
夜の交差点で出会った、僕にしか見えない彼女は――死を告げに来た死神だった。
正直、未練も何もない。今すぐに死んでも良いと思っていた僕には、どうでも良い事だった。
だけど、そんな僕を哀れんだのか、彼女は残りの七日間を一緒に過ごして未練を探そうと提案してきて――。
生きる事に執着しない僕と、生きて欲しいと願う死神が過ごした、切なくも美しい七日間の物語。
登場人物
・僕
主人公。特に目立つ事も無い、普通の高校生。自分とは違い何でも出来る「兄」に憧れていたが、亡くなってからは生きる意味を見失った。
父親とは兄が亡くなって以来、関係が悪くなった。
・死神
ヒロイン。喪服を着た女の子。もうすぐ死ぬという人間にしか見えない存在。
自称死神だが、死神のイメージとはかけ離れた明るくて可愛らしい女の子。
・兄
物語開始前、バスに乗っていた時に事故に遇い、近くに居た子供を庇った事で亡くなった。勉強もスポーツも万能で人気者だった。
まとめ
あらすじを読んで、ある程度は王道なストーリーかな?と、察する事が出来ると思います。
けれど、読んでいくうちに「あれ?思ってたのと違う」となるんです。
主人公の「僕」と自称「死神」の青春物語ですが、故人である「兄」の願いや悪くなった家族関係の修復など、感動する場面もあり。
「僕」の未練を探すため「死神」と一緒に出掛けたりして、そこで出会う死期が近い人の心情、刻一刻と寿命が迫る内に芽生える「僕」の想いなどの文章がグッときます。
少しネタバレになりますが、死神の正体が分かった時のシーンは号泣必須。
物語終盤の「僕」と「死神」の関係は綺麗ですが、近づいてくる別れに悲しくなります。
そんな切ない、七日間で終わる爽やかな青春の物語。
1巻で完結するので、気軽に読んでみては如何でしょうか。
以上、サトミでした。